自社開発創薬
当社は、まだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのため、画期的新薬の開発を目指しています。創薬研究においては、市場への投入速度を最大限に高めることを目的に、探索研究に特化し、見出した化合物の開発を専門性の高い国内外企業へ開発の早期段階から導出する「ベンチャー型創薬研究」を基本としています。当社が得意とする高尿酸血症および疼痛などの領域を中心に、画期的新薬となる可能性がある創薬テーマにも積極的にチャレンジしています。
開発品目
1. NC-2500 / XOR 阻害薬(痛風・高尿酸血症治療薬)
尿酸の産生に関与する酵素であるキサンチンオキシドレダクターゼ(XOR)の作用を阻害することで尿酸生成を抑制し、血清尿酸値を低下させると考えられています。現在の尿酸降下療法では、治療開始後の急激な尿酸値低下による急性痛風発作の発現が留意すべき点として挙げられていますが、NC-2500 はフェーズ1 試験において血清尿酸値を徐々に低下させるという特有の作用が確認され、この問題の改善につながる可能性が示唆されました。現在は国内外の企業に向け導出や提携を目指した活動に取り組んでいます。
2. NC-2600 / P2X4 受容体拮抗薬(神経障害性疼痛治療薬)
九州大学と共同で新規作用機序の神経障害性疼痛治療の研究を進めてきました。2012 年度より、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(以下、AMED)の支援を受けて本テーマの開発を進め、2014 年度に経口投与でも有効性が期待できる開発候補品目NC-2600 を見出し、2017 年度にはフェーズ1 試験を終了しました。現在、国内外企業への導出活動を行っています。
3. NC-2700 / URAT1 阻害剤(高尿酸血症治療剤)
NC-2700 はNC-2500 と異なる作用機序を持つ化合物で、腎臓で尿酸の再吸収を担うトランスポーター「URAT1」の阻害により、尿酸の体外への排泄を促進します。現在、非臨床試験を終了し、フェーズ1 試験の実施に向けた準備と並行して導出活動を行っています。
4. NC-2800 / オピオイドδ受容体作動薬(抗うつ・抗不安薬)
当社と筑波大学、北里大学、国立精神・神経医療研究センターの共同研究によって見出された、うつ・不安の治療薬として期待される化合物です。このNC-2800 は、2015 年にAMED の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)に採択され、同機構の支援を受けながら、非臨床試験を実施してきました。その結果、本薬剤の持つ治療薬候補としての可能性が高く評価され、2018 年に同じくAMED が行う事業であるCiCLE の支援テーマ※として採択されることとなりました。引き続き同機構による支援を受けながら、フェーズ1 に向けた準備を進めて行うとともに、国内外企業への導出活動を行っています。(※研究開発課題:オピオイドδ受容体活性化を機序とする画期的情動調節薬の開発、支援期間:2018 年3 月30 日〜2027 年3 月31 日)。
動物福祉に配慮した動物実験
当社では、すべての動物実験を、動物実験の科学的かつ倫理的基盤となる3R*に十分に配慮して実施しています。このため、法令および厚生労働省より通知された「動物実験等の実施に関する基本指針」などに従って動物実験を行うための社内規程を定め、また動物実験委員会を設置して社内外で実施される動物実験の審査を行い、承認された実験のみを実施しています。さらに、社内の実験の実施状況について、定期的に自己点検・評価を行い、動物実験が常に適正に実施されていることを確認しています。平成28年6月には財団法人ヒューマンサンエンス振興財団の第三者認証を取得しました。
*3R; Reduction(使用動物数の削減)、Replacement(代替法の採用)、Refinement(動物の苦痛軽減)
日本ケミファの公的研究費の運用・管理体制
当社は、「研究機関における公的研究費の管理・監査ガイドライン(実施基準)」および「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」等に基づき、国や国立研究開発法人等から配分される公的研究費を使用する研究について、公的研究費の不正使用および研究不正の予防ならびに対応に関する規程を定めており、当該規程に則り、以下の体制において適正に運用・管理しています。
最高管理責任者 | 代表取締役社長 |
統括管理責任者 | 創薬研究所担当役員 |
コンプライアンス推進責任者 | 公的研究費に関係する部門の責任者 |
通報について
公的研究費を使用する研究において、不正の疑いのある問い合わせや指摘がございましたら、以下の通報窓口へご連絡ください。
匿名での通報も受け付けておりますが、具体的な調査へのご協力のお願いや結果を報告させていただくことがありますので、できるだけ氏名や連絡先をお知らせいただきますようにお願いいたします。
なお、お知らせいただきました個人情報は、上記の目的以外に使用することはございません。
通報窓口
publicfund_research@chemiphar.co.jp
通報の対象
公的研究費の不正使用、研究における不正行為(捏造、改ざん、盗用など)
通報いただく内容
・研究不正の具体的内容
・研究不正の具体的内容を不正とする科学的な合理性のある理由
